栄一
夢が叶った―! 日本は商売がまだまだだからなぁ~。
これから日本のために頑張るぞ!
〈明治6(1873)年―ある日のエピソード〉
栄一
これからは、いよいよわずかな利益をあげながら、社会で生きていかなければならない。
そこでは、どんな志を持つべきなのだろう・・・
栄一
『論語』いいよね。
『論語』を使いたいなあ。
『論語』で商売っていける気がする。
玉乃世履
君ほどのものが、卑しむべき金銭に目がくらんで、
官僚を去って商人になるとは実に呆れた。
栄一
玉乃さん、ご忠告ありがとう。
・・・・・・けれど、私は『論語』で一生を貫いてみせるよ。
金銭を取り扱うことが、なぜ賤しいのだ。
君のように金銭を賎しんでいては、国家は立ち行かない。
民間より官の方が貴いとか、爵位が高いといったことは、実はそんなに尊いことではない。
人間が勤めるべき尊い仕事は至るところにある。
官だけが尊いわけではない。
玉乃世履
”(-“”-)”・・・・・・
(そして帰って行った)
栄一
あっちゃー、言っちゃったよー
『論語』、本気で読むしかないな。
まぁ、子らと一緒に勉強するのはなかなか面白いからいいか
(その後渋沢栄一が論語を習った先生たち)
中村敬宇(けいう)先生・・・(1832~1891)明治の六大教育家の一人
信夫恕軒(しのぶじょけん)先生・・・(1835~1910)東京帝大講師
宇野哲人(てつと)先生・・・(1875~1974)今上天皇の称号「浩宮」の名付け親
小学生でも分かる『論語と算盤(ろんごとそろばん)』次のお話
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