〈修身と忠恕(しゅうしんとちゅうじょ)〉

※修身(しゅうしん)=自分の行いを正しくするようにつとめること。

※忠恕(ちゅうじょ)=良心的で思いやりがあること

いきなりむずかしい言葉が出てきたよ?

栄一カエル
昔から、たくさんの宗教家や道徳家の学者さんたちが、人々に
「道」を教えたり、「法」を立てたりしてきました。
「良心」や「思いやり」をもって生きていくことが大切だと人々に分かってもらうためです。すなわち、忠恕(ちゅうじょ)の心です。

栄一カエル
そして、忠恕の心をつらぬくためには、自分にきびしくないとだめですから、修身(しゅうしん)が大切になります。
私は、生きる上で「忠恕(ちゅうじょ)」をずっとつらぬくことにしています。
渋沢流の生き方 ステップ1
箸(はし)の上げ下ろしの間の心がけ

箸の上げ下ろしの間の心がけとはどういう意味かな?

「箸(はし)の上げ下ろし」とは、ふだんのその人の細かいふるまいのことだね。
「箸の上げ下ろしの間の心がけ」とは、
ふだんの何気ない作法にも、細やかな気配りを忘れないようにする心がけという意味だね。

栄一カエル
わたしは家族に対しても、客に対しても、その他手紙など何かを見るのにも、
すべて誠意(せいい)を尽くしている。

〈己を知る(おのれをしる)〉

渋沢流の生き方 ステップ2
蟹は甲羅に似せて穴を掘る
かには こうらに にせて あなを ほる
「自分の身の丈(みのたけ)を守る」という心がけ

若者
前進あるのみ!夢は大きく!

栄一カエル
自分の力を過信して身の丈をこえた望みが過ぎると
とんだ間違いを引き起こすことがあるので、気をつけましょう。

栄一カエル
今から十年ほど前のことだった……

政府のえらい人1
渋沢さん、ぜひ大蔵大臣(おおくらだいじん)になってくれないか。

政府のえらい人2
渋沢さん、ぜひ日本銀行の総裁(にほんぎんこうのそうさい)になってくれないか。

渋沢栄一
ありがたいお言葉ではありますが、引き受けることはできません。
(わたしは実業界に穴を掘って入ったのであるから、今さらその穴から出ることはしない。)

孔子(こうし)
進むべきときは進むが、止まった方がいいときは止まり、引いた方がいいときは引く。

栄一カエル
人は進むか引くかの決断が大切なのです。
また、身の丈に満足するからといって、新しいことに挑戦をする気持ちを忘れてはいけません。そのバランスをとるための考え方が「蟹穴主義(かにあなしゅぎ)」です。
大志と見の丈のバランスが大事
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身の丈は守りつつ、大きな目標を持てと言われても
むずかしいなあ……

栄一カエル
たとえば、ある会社で、新入社員がいきなり社長になるのは誰が考えてもおかしいですよね。
バランスが大切というのはそういうことです。
もちろん、簡単なことではありません。
だからこそ
「己を知ること」=蟹穴主義(かにあなしゅぎ)
「自分を磨き続けること」=修身(しゅうしん)
を心がけることが必要なのです。

小学生でも分かる『論語と算盤(ろんごとそろばん)』次のお話

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