渋沢さんは、世間からは「円満(えんまん)な人」、つまり、おだやかで争うことをしない人だと思われているようです。

渋沢さんは温厚(おんこう)だし、誰とも争ったりしなさそうですね。

渋沢栄一
それは誤解ですよ。むしろ逆です。

えっ!? 意外だなあ!

渋沢栄一
人間は、いかに人格が円満でもどこかに角(かど)がなければなりません。
あまり円いとかえって転びやすくなるものです。

そうはいっても、みんな言ってますよ。
渋沢さんは円満なお人だと。

渋沢栄一
いえいえ、皆が思っているような決して円満な人間ではないですよ。
これは実際の話ですが、大蔵省(おおくらしょう)で働いていた頃のことです。
わたしが行った大改革に反対だった人が、ある日、いばりくさった態度で私のところにけんか腰で乗り込んできました。
わたしはその人がなぐりかかってくるのをかわした上で、ビシッと怒鳴り返したことがありました。
渋沢の信念
わたしの信ずるところをゆり動かし、これを覆そうとするものがあらわれれば、
わたしは断固としてその人と争うことをためらわない。

レベルの高い争いだなぁ~。

過ぎたるはなお及(およ)ばざるがごとし
(いき過ぎるのは足りないのと同じである)

栄一カエル
『論語(ろんご)』で孔子がいっているように、
あまり円満になり過ぎると、人としてまったく品性がなくなってしまいます。

小学生でも分かる『論語と算盤(ろんごとそろばん)』次のお話

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