第2章 「立派な人間の争いであれ」『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ 【第2章 立志と学問 その4】 渋沢さんは、世間からは「円満(えんまん)な人」、つまり、おだやかで争うことをしない人だと思われているようです。 渋沢さんは温厚(おんこう)だし、誰とも争ったりしなさそうですね。 渋沢栄一 それは誤解ですよ。むしろ逆です。 えっ!? 意外だなあ! 渋沢栄一 人間は、いかに人格が円満でもどこかに角(かど)がなければなりませ...
第2章 「大きな志と小さな志」『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ 【第2章 立志と学問 その3】 「志」は「こころざし」と読みます。自分の信念にもとづく人生の目的のことを言います。 今回は、この「志」がテーマになっています。 どんなお話をしているのでしょうか。 栄一カエル わたしたち凡人(ぼんじん)は 社会の雰囲気(ふんいき)に流されたり、 世間に乗せられたり、 事情に縛(しば)られたりと してはいけない選択(せん...
第2章 「自ら箸をとれ」『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ 【第2章 立志と学問 その2】 なかなか出世(しゅっせ)できない若者が、何か悩んでいます。 活躍できる仕事がないなあ でっかい仕事がしたいけど、頼りになる先輩がいないよ やる気はあるけど環境がないなあ 早く仕事を覚えたいのに応援してくれる人がいないよ 出世の仕組み みんなこまっているよ。 コネや人脈、環境がないみたい。 栄一カエル なるほど、そうです...
第2章 「現在に働け」 『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ【第2章 立志と学問 その1】 『論語と算盤(ろんごとそろばん)』第2章のはじまりです。 著者の渋沢栄一さんは、はじめ大蔵省(おおくらしょう・現在の財務省)で役人をしていました。 大蔵省(おおくらしょう)といえば、エリートの中でもトップクラスです。 しかし、第1章でも見てきたように、渋沢栄一さんは大蔵省を飛び出して、実業家(じつぎょうか)の道を歩みま...
第1章 「得意なときと、失意のとき」 『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ【第1章 処世と信条 その9】 順調なときと、失意のとき 栄一カエル ものごとには、かならずうまくいって順調なときと、うまくいかなくて失意(しつい)におちいるときがあります。下の図を見てみましょう。 クリックで拡大します 栄一カエル うまくいっているときに気をゆるめず、失意のときに落胆(らくたん)せず、いつも同じ心構えで道理を守り続けるように心がけて...
第1章 「蟹穴主義(かにあなしゅぎ)?」『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ 【第1章 処世と信条 その8】 〈修身と忠恕(しゅうしんとちゅうじょ)〉 ※修身(しゅうしん)=自分の行いを正しくするようにつとめること。 ※忠恕(ちゅうじょ)=良心的で思いやりがあること いきなりむずかしい言葉が出てきたよ? 栄一カエル 昔から、たくさんの宗教家や道徳家の学者さんたちが、人々に 「道」を教えたり、「法」を立てたりしてきました。 「良...
第1章 「立派な人間が真価を試される機会」 『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ 【第1章 処世と信条 その7】 逆境(ぎゃっきょう)って何ですか? 栄一カエル 逆境とは苦労の多い境遇、うまくいくはずのものがうまくいかない不運な境遇のことをいいます。 栄一カエル そして、真の逆境とは世の中で誰にでも起こりうる苦労や不運よりも、より避けがたいもので、真の逆境の人は変乱の時代に生まれ合わせ、心ならずもその渦中に巻きこまれるもののことを...
第1章 「争いはよいのか、悪いのか」現代語訳『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ【第1章 処世と信条 その6】 争いは良いのか、悪いのか 争いはよくない。人から右のほっぺをたたかれたら、左のほっぺをさしだそう 何を言ってるんだ。争いはなくしたらダメでしょう。 問い:争いは、人が生きていく上で役に立つのか、それとも役に立たないか。 これは、人によって大きく意見が分かれるでしょう。 いつも争ってばかりはよくありませんが、ときには争う...
第1章 「人は平等であるべきだ」現代語訳『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ【第1章 処世と信条 その5】 適材適所は難しい 栄一カエル 適材適所は一筋縄ではいかぬ 社長・雇い主 例のポストには誰が向いているかなぁ・・・ 彼を今の仕事で終わらすのは勿体ないなぁ・・・ どいつもこいつも帯に短したすきに長しだなぁ・・・ たくらみの潜む適材適所 自分の権力拡大によく使う手 自分の子分の中から良い人材を適所に送り込んで、 一歩一歩、...
第1章 「『論語』とソロバンは、はなはだ遠くて近いもの」 現代語訳『論語と算盤』渋沢栄一・守屋淳訳 各章まとめ【第1章 処世と信条 その1】 処世と信条 第1章のタイトルは「処世と信条(しょせいとしんじょう)」です。どういう意味でしょうか。 処世(しょせい)…世間と交わってうまく生活していくこと。 信条(しんじょう)…堅く信じて守っている事柄。「独立自尊が私の信条だ」 〔コトバンク https://kotobank.jp/〕より 「生活すること」と「自分が信...